忘れられた怪異 / キャトルミューティレーション
■矢追世代
どうも最東です。
ひと昔前ですが、UFO特番などが盛んな時代がありました。
私の世代ならば、矢追純一という名前などを聞くと自然とわくわくしてしまうのではないでしょうか。
その中でも、とりわけインパクトを放ったのが、この【キャトルミューティレーション】です。
当時私は小学校に行っていた時期だと思いますが、とにかくこの猟奇的な怪異が恐ろし過ぎて、夜も眠れなかったものです。
そういうわけで、私の世代より若い人たちはピンと来ていないと思うので、このキャトルミューティレーションなる事象について説明したいと思います。
■牧場での怪異
キャトルとは家畜のことを指します。
そして、ミューティレーションとは解剖のことを言います。
繋げるとズバリ【家畜の解剖】となるわけですね。
さて、この家畜の解剖のなにが怪異なのか……ということなのですが、これを人間が施すのならばまぁわかなくもないですよね。
ちゃんとした公的機関が、家畜病の調査や食肉の基準など……、そんな理由でやることは考えられることです。
ですが、このキャトルミューティレーションを施しているのが、《人間以外》だったら……?
その【誰か】とは、【宇宙人】だと言われています。
今、こうしてみるとなにかコミカルな印象も受けますが、事実はそんなに笑えるものではありません。
ことの始まりは、アメリカの家畜牧場でのことでした。
牛の数を数えていた牧場主が、一匹牛が足りないことに気付いたのです。
家畜泥棒かと顔を青くして見当たらない牛を探すと、牧場の端でその牛を見つけました。
……牛は、死体で発見されたのです。
野犬に追われたり、他の動物に襲われて死んだとすれば、珍しいといえば珍しいですがなくはありません。
しかし、そこで発見された死体はそのようなものとは全く異質な状態だったのです。
その状態とは、血が一滴も残らず吸い取られ、体の一部がメスのようなもので切り取られている……という、異常なものだったのです。
凡そ人間の仕業とも、野犬や野獣の仕業とも思えない異常な牛の死体に、牧場主は恐怖と共に混乱するのみでした。
■アメリカ中で起こったキャトルミューティレーション
その牧場一件だけであれば、なんらかの原因によって引き起こったのかもしれませんし、このブログで紹介するほど有名になるはずもありません。
ですが、有名になったのには理由があります。
それは……その事案を皮切りに、アメリカ全土で同じ現象が巻き起こり、その人間離れした手口にどこからともなく【宇宙人の仕業】であると囁かれ、最終的にはFBIも動くという事態にまで発展しました。
■事件の特徴
さて、人間離れした手口……とありましたが、具体的にはどういう特徴があったのでしょう。
・死体の周囲に鼻を突くような異臭がする
・なぜか死体の近くに他の野生動物が近寄らない
・死体から少し離れたところに焼け焦げたような跡が点在し、そこから異常に高い放射能を検知
・とある家畜の死体に付着していた緑色の液体。これに触れると腫れ上がり、激しい痛みを感じる。
・現場近くで頻繁に音のしない黒いヘリコプターが目撃される
・UFOらしき未確認飛行物体が現場周辺で目撃される。
このような不可思議な現象が報告されているといいます。
同時期にアメリカでは、ミステリーサークルという謎の巨大アプローチが、これもまた人間離れした手法で描かれています。
これも後を押すように、一般的にそれらは『宇宙人の仕業』であると認知されるようになったのです。
そもそも、アメリカは秘密大国とも言われるように、ありとあらゆる機密が存在し、エリア51などはそれの最たるものであるといえるでしょう。
そういうアメリカという国の体質もあり、余計この件が『宇宙人』によるものだという説が信憑性を増したわけです。
■ヒューマン・ミューティレーション
1994年。
遂に恐れていたことが起こりました。
それまで、家畜や動物など限定で起こっていたキャトルミューティレーション。
それが人間の事例が出たというのです。
ブラジルのサンパウロの南で男の遺体が発見され、その遺体からは、左目、耳、唇、顎が切り取られ、肩と腕には直径1.5cmほどの謎の穴が開けられていました。
検死の結果、男は生きたままこの処置をされたという結果がでました。
そして、男にそれを行った人物は、人体に詳しい……医師のようなプロの人間によるものだと。
一般的に考えて、医師の反応だとは思えません。
一部の人間は、そんなことよりも遺体の状況に注目し、騒いだのです。
【キャトルミューティレーションと同じである】
そう、あのキャトルミューティレーションで死んだ家畜の遺体と、状態が同じだったのです。
当然、キャトルミューティレーションを知る人間はこう思いました。
『宇宙人がやった』のだと――。
後に、キャトルミューティレーションと関連性があると思わせることが次々と分かったそうです。
被害者は、ミサイル発射場に努める軍人だったということ。
彼が変わり果てた姿で発見される前、一緒に作業をしていたという同僚が次のように発言しています。
「俺達は二人一緒に基地周辺の残骸を集める仕事をしている時、別々で拾っていた彼の元が強く光ったんだ。なんいかと思って振り返ると、UFOが彼の頭上に浮いていてそこから触手が伸び、彼がUFOの中に吸い込まれていった。そして、彼は変わり果てた姿で発見されたんだ」
……一体、なにが起こったのでしょうね。
このように、キャトルミューティレーションについては、宇宙人と関係が無いという報告もありますが、まだまだそれだけでは説明のつかないことも沢山存在するといいます。
どこまでが本当で、どこからが嘘なのか。
巨大すぎる秘密には、そのラインさえ私達から掻き消すようです……。
【関連記事】
スポンサードリンク
関連記事
-
【怪紀行・滋賀県】使われることのなかった列車壕・岩脇蒸気機関車避難壕
怪奇行滋賀・兵主大社と土倉鉱山跡はこちら ■いわわきじゃないよ、いをぎだよ ど
-
この男に見覚えありませんか / 怪奇夜話
■どこにでもいそうな…… &nbs
-
小説 野生時代 152号に掲載されました
■うれしはずかし初掲載
-
ホラー小説 / 食べる その3
その1はこちら その2はこちら ■赤い手から逃れて
-
ネットに転がる恐怖を融合 / 恐怖に飢えた現代人-2
■氾濫する恐怖画像 どうも最東です。 こんなおどろおどろしく作って
-
思考を乗っ取られる / 本当は怖い寄生虫
OLYMPUS DIGITAL CAMERA[/caption] &nb
-
ケビンアピオス・アビャンケイ / ホラー小説
■朝起きて覚えている言葉 &nbs
-
文明を閉ざした島 / 北センチネル島
■上陸できない島
-
怪紀行青森・東北最恐?それとも最狂?止まらないおもてなし とびない旅館《中編》
とびない旅館 前編はこちら ■座敷童がでる宿 どうも最東です。
-
ホラー映画『残穢』 / ホラー映画レビュー
■邦画ホラーを映画館で  
スポンサードリンク
- PREV
- 双葉社ホラー賞 / ケータイ小説賞とは
- NEXT
- 心霊スポットドライブ / 【怪談】